動脈硬化症,動脈硬化症とは

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動脈硬化症
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 人は動脈とともに老いる、といわれています。健康な動脈は血圧の何倍もの圧力に耐えるほど弾力に富んでいますが、これは心臓と同じで一生休みなく使われるため、長い間には、いろいろなところで、いろいろな形で痛んできます。この痛んだ動脈の変化を、ふつう動脈硬化と呼んでいます。

 ● どんな病気か
 若い人の動脈の内側には、肉眼的に特に変わったところはみられません。ただ年とともに壁が厚くなり、弾力性が失われていきます。

 アテロームの発生
 やがて、動脈の内側さらに中央の部分に脂肪が沈着していきます。その部分は黄色く盛り上がりますが、これをアテロームといいます。

 かゆ状硬化
 アテロームが進行すると、その内面がくずれてどろどろした感じになり、動脈がたいへんかたく厚くなります。これは、石灰が大量に沈着したことが一因で、この形の動脈硬化をかゆ状硬化と呼んでいます。

 このようになってしまった動脈は進むいっぽうで、自然に元にもどることはなく、ただ進行を遅らせることができるだけです。

 動脈りゅう
 このような動脈は、いろいろな形に変わっていきます。その一つが動脈りゅうで、へびがかえるを飲み込んだような形にふくれ上がります。

 これは弾力を失った動脈が、血圧の力で押し広げられた結果できるもので、さらに広がって破れると即死も免れません。動脈りゅうは太い動脈にできやすいのですが、脳動脈にできることもあり脳出血を招くことになります。

 硬化した動脈の壁
 動脈の壁が硬化して厚くなり、中等大以下の動脈では、動脈の内腔に向かって厚くなる傾向があり、ついには動脈が完全にふさがってしまうこともあります。このような変化は、心臓の動脈(冠状動脈)や脳の動脈によくみられ、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞などの原因になります。

 血栓
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 アテロームができると、表面がざらざらしているので、その表面で血液がたまりやすくなります。このかたまりを血栓といいますが、これは狭くなった動脈の内腔をさらに狭くし、時には完全にふさいでしまったりします。

 ★ 進行と硬化の部位

 生まれてまもなく、動脈は厚くなってきます。ことに内膜が厚くなります。20歳代になるとアテロームの始まりが見られ、30〜40歳代には、本格的なアテロームがあらわれ、しだいに数が増えていきます。

 動脈硬化はこのように、年齢と密接な関係がありますが、かなり高齢な人でも、肉眼的に硬化はほとんどみられないこともあります。年齢だけが硬化の成り立ちを支配するものではありません。

 また、女性は、閉経期までは、硬化の程度が男性より軽いのですが、閉経期以後は急速に硬化が進行し、男女差はなくなります。

 動脈のほとんどが硬化を起こしますが、その程度には差があります。最も硬化しやすいのは、大動脈、ことに腹部大動脈と、そこから下肢の方へ分かれる総腸骨動脈です。次は冠動脈(心臓の筋肉を養う動脈)、脳動脈、腎動脈です。

 下肢ことに抹消、および上肢の動脈の硬化は比較的軽く、いちばん軽いのは肺動脈です。また、各臓器にある毛細血管に移行する細い動脈では、一般に生きていくために必要な臓器に軽く、比較的生命の保持に不必要な臓器では高度です。
 


 ★ 原因

 動脈硬化の原因はいろいろあり、現在のところ、そのすべてが明らかにされているわけではありませんが、最も広く研究されているのは脂肪との関係です。

 ● 脂肪
 脂肪が動脈硬化の成り立ちに最も密接な関係を持っているということの、第一の理由は、硬化している動脈には脂肪が沈着していることです。また脂肪を多くとる民族ほど、動脈硬化性疾患が多く見られます。

 たとえば脂肪摂取量の多い欧米人では、摂取量の少ない未開発国の民族に比べて、心筋梗塞で死亡する率がたいへん高くなっています。

 また、動脈硬化症の疾患を持つ患者の血液には、脂肪成分が他の人に比べると多いようです。

 このように脂肪は、動脈硬化に深い関係がありますが、血液の脂肪分のうち、特に動脈硬化につながると考えられているのが、コレステロールと中性脂肪です。血清コレステロールが170〜190ミリグラム%以上の場合は異状とされています。

 血液の脂肪分が異常に高い場合、脂肪そのものが動脈の壁の中にはいって動脈を傷害し、硬化を起こすと考えられています。また脂肪は血清の粘度を高め、血管内の血流に支障を与えたり、血液を固まりやすくして血栓の危険を増すこともあります。
 
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 一般に動物性脂肪を多くとる民族に、動脈硬化症疾患で死亡する率が高いといわれています。

 ストレスの状態では、血液中のコレステロールが増加しますし、血液は固まりやすくなります。動物園のサルは、野生のサルに比べて動脈硬化が強いという実 験報告もあり、ストレスが血液の脂肪分を増やして動脈硬化を招く原因の一つであることが証明されています。

 ● 高血圧
 高血圧の人は、正常血圧の人より動脈硬化が強いことは、すでにはっきりしています。その原因としては機械的因子のほかにいろいろな因子が関係していると考えられていますが、まだ明らかにされていません。

 しかし、血液の脂肪分は、高血圧の人では一般に高く、また腎動脈の硬化から、血液をさらに高くしている可能性があります。高血圧の人には小さい動脈にまで強い硬化があらわれることがあります。
 
 ● 糖尿病
 糖尿病の人では、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞などの動脈硬化に基づく血管障害の発生率が高くなっています。特に若い人の血管障害では、糖尿病の影響が大きくあらわれています。

 また、心筋梗塞などでは、糖尿のある人の経過は糖尿のない人に比べて、特に悪くなっています。心筋梗塞や脳卒中の発作後まもなく糖代謝を調べると、不良 の場合が多く、糖の代謝異常と血管障害とは密接な関係があると考えられますが、そのしくみはわかっていません。

 糖尿病はこのように動脈硬化を強めるほか、特異な血管障害も起こさせます。小さい、細い動脈をおかすことがそれで、腎の小動脈や眼底動脈、下肢の動脈をおかし、腎機能の低下、視力低下、足指の壊疽などを招きます。

 ★ 動脈硬化によって起こる病気

 動脈硬化のために血液の流れがスムーズでなくなると、その動脈で養われている臓器では、酸素や栄養素が不足することがあります。その臓器が生命の保持に重要であればあるほど、酸素や栄養分の不足の結果が症状としてはっきり出てきます。

 動脈が少しずつせばまっていく場合は、生体はそれに対応する方法を持っていますが、血栓などで急にせばまると、たいへん重い症状があらわれます。

 動脈硬化が問題となる臓器は、心臓、脳、腎臓、四肢などです。

 ● 冠状動脈の硬化
 冠状動脈に、硬化が起こると、狭心症や心筋梗塞を招きます。
 
 ● 脳動脈の硬化
 脳動脈が硬化すると、脳動脈硬化症、脳出血、脳梗塞(脳軟化症)などが起こります。脳動脈の硬化は、軽症のうちは日常生活にさしつかえありません。しかし、過労やストレスが加わると、めまい、吐きけ、頭の中の空虚感など、脳貧血の症状が出ます。さらに進むと精神機能の低下も招きます。

 脳出血は、脳動脈硬化よりは高血圧の方に密接な関係があります。

 脳梗塞は、脳動脈の硬化が進んだ結果、血栓などで血管がふさがれた状態です。こうなると、その動脈から栄養を受けている脳の部分が破壊され、その部分の機能が脱落します。こちらのほうは、高血圧よりも動脈硬化との関係が密接です。

 ● 腎動脈の硬化
 腎動脈の硬化は少しずつ出てくるもので、硬化が進んでも、心臓や脳ほど急激で発作的な症状はあらわれません。しかし、これは高血圧や脳血管障害を促進することもあります。

 萎縮腎といって、硬化が進むと腎臓は小さくなって、重さも減少します。夜間の排尿回数が増える、血圧が高くなる、腎臓の機能が低下するなどが、おもな症状です。また、腎臓の機能が高度に失われると尿毒症が起こります。

 ● 腹部大動脈の硬化
 腹部大動脈は動脈硬化が最も強くあらわれるところです。大動脈りゅうもよくあらわれますが、破裂するまで自覚症状がないことが多いようです。食後、腹痛に苦しむのは、腸に分布している動脈の硬化で、消火活動に必要な血液が不足している場合にみられます。

 ★ 予防と治療


 動脈硬化は年齢とともに進行していき、それを止めることはできませんが、進行を遅らせることはできます。ある程度進行しないと自覚症状があらわれないため、どうしても手遅れになりがちですが、できれば自覚症状の出ないうちに対策を講じておくことが大切です。狭心症や心筋梗塞、脳卒中など合併症の出ないように心がけましょう。

 ● 血圧測定と検尿
 糖尿病や高血圧は動脈硬化を促します。定期的に血圧測定や検尿を行って予防に心がけます。すでに糖尿病や高血圧のある場合、じゅうぶんに治療することです。治療を中断すると、かえって血管障害を招きやすいといわれています。

 ● 食事
 動脈硬化は脂肪と密接な関係があります。脂肪の摂取量は、特に注意が必要です。40歳を超えたら定期的に血液中のコレステロールや中性脂肪などの量を測定し、脂肪量をコントロールします。卵黄、レバー、貝、えび、かになどはコレステロールの含有量が多いので取り過ぎないようにします。

 肉は獣肉より、鶏肉、魚肉の方が無難です。動物性脂肪は、植物性脂肪に切り替える方がコレステロールを下げるのに役立ちます。ふつうの場合、脂肪は総カロリーの30パーセント以下に制限するようにつとめます。
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 また、太りすぎは、動脈硬化に悪い影響をあたえます。炭水化物(米、めん類、パンなど)や砂糖の量も制限します。血圧の高い人は、食塩のとり方にも気をつけます。

 酒は一定量をたしなむ程度なら、それほど害はありません。タバコは、狭心症。心筋梗塞の遠因になるので、できればやめたいものです。

 ● 運動
 過度な運動は血清コレステロール値を下げるといわれ、むしろ望ましいものです。しかし過度になると悪い結果を呼ぶので、年齢やからだの状態にあった運動をします。
 

 
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